ダウ平均は下落もナスダック上昇 半導体関税の発表も好意的=米国株概況
NY株式7日(NY時間16:28)(日本時間05:28)
ダウ平均 43968.64(-224.48 -0.51%)
S&P500 6340.00(-5.06 -0.08%)
ナスダック 21242.70(+73.28 +0.35%)
CME日経平均先物 41150(大証終比:+150 +0.36%)
きょうのNY株式市場、IT・ハイテク株は買われナスダックは上昇したものの、ダウ平均は下げに転じた。ナスダックについては、アップル<AAPL>やAMD<AMD>、エヌビディア<NVDA>の上げが先導。トランプ大統領の新たな半導体関税の発表も好意的に受け止められている模様。
トランプ大統領は半導体とチップの輸入に対して新たに100%の関税を課すと発表した。ただ、「米国内で製造している、または製造を確約している企業」には適用されないと明言した。
この発表は、前日材料となったアップルが今後4年間で米国内企業やサプライヤーに対して追加で1000億ドルを支出する計画を明らかにした直後に出された。アップルは本日も上昇し、ナスダックをサポートした。
ダウ平均についてはキャタピラー<CAT>の下げが圧迫。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げていた。「業績やファンダメンタルズが悪化する中で、同社株は完璧を織り込んだ水準まで買われている」と指摘。関税による逆風を評価から除外すべきとの主張も出ているが、関税は現実的なコストであり、無視すべきではないとしている。
一方、プーチン大統領とトランプ大統領の会談に関する報道は米株式市場をサポート。ロシア政府は両首脳が今後数日以内に会談を行う予定だと発表した。ルビオ米国務長官によれば、首脳会談は一時的な停戦に向けた十分な進展があることが前提条件になると述べていた。
また一部からは、「4月初旬の関税緊張時をピークに主要資産クラスのボラティリティが大幅に低下している。一部の株価指数では1カ月物の実現ボラティリティが昨年6月以来の低水準となっている」といった声も出ていた。
なお、トランプ大統領が退任を表明しているクーグラーFRB理事の後任にミランCEA委員長を指名。自身のSNSで明らかにした。ただ、来年1月末までの暫定理事となる。
イーライリリー<LLY>が大幅安。同社は取引開始前に決算を発表していたが、肥満薬の経口治験薬が後期の臨床試験で平均11%の体重減少を示したとも発表した。この結果は期待の下限にあたる水準で、市場では失望感に繋がっている模様。
民泊を中心とした旅行サイト運営のエアビー&ビー<ABNB>が決算を受け下落。好調な内容ではあったものの、宿泊予約数の伸びに不満が出ているようだ。
フード・デリバリーサービスのドアダッシュ<DASH>が決算を受け上昇。第3四半期のガイダンスで、予想を上回るマーケットプレイス受注額の見通しを示したことが好感されている。
ガラスメーカーで通信機器のコーニング<GLW>が上昇。アップル<AAPL>との25億ドル規模の拡大提携が好感されている。
エネルギー施設の水処理を手掛けるアリス・ウォーター<ARIS>が大幅高。同業のウエスタン・ミッドストリーム<WES>が同社を買収することで合意した。
語学学習アプリのデュオリンゴ<DUOL>が決算を受け大幅高。サブスクの予想以上の好パフォーマンスが要因。
マーケティングと収益化の支援ソフトを手掛けるアップロビン<APP>が決算を受け大幅高。予想を上回る第3四半期の売上高見通しを示した。セルフサービス型広告ダッシュボードやAIを活用したユーザー獲得ツールをeコマースサイトなど幅広い顧客層に展開している計画が順調に進んでいることを示唆。
インテル<INTC>が下落。トランプ大統領が同社のタンCEOが利益相反の状態にあるとして、辞任を求めた。中国との関係が指摘されている。
アパレルのラルフローレン<RL>が決算を受け下落。予想を上回る数字を発表したものの、下半期の慎重姿勢を維持したことを嫌気。
サイバーセキュリティのフォーティネット<FTNT>が決算を受け大幅安。サービスの売上高見通しを下方修正していたほか、顧客のファイアウォールの刷新がすでに40-50%完了していると開示したことも、投資家の失望感を煽った模様。
AIG<AIG>が下落。前日引け後に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、損害保険部門の正味保険料収入が予想を下回ったことが嫌気されている。
キャタピラー<CAT> 417.12(-10.60 -2.48%)
エアビーアンドビー<ABNB> 120.03(-10.47 -8.02%)
ドアダッシュ<DASH> 270.99(+12.91 +5.00%)
コーニング<GLW> 64.76(+0.78 +1.22%)
アリス・ウォーター<ARIS> 23.78(+3.85 +19.32%)
ウエスタン・ミッドストリーム<WES> 38.44(-1.89 -4.69%)
デュオリンゴ<DUOL> 390.84(+47.23 +13.75%)
アップロビン<APP> 437.34(+46.77 +11.97%)
インテル<INTC> 19.77(-0.64 -3.14%)
ラルフローレン<RL> 283.34(-19.62 -6.48%)
フォーティネット<FTNT> 75.30(-21.28 -22.03%)
AIG<AIG> 76.60(-2.46 -3.11%)
アップル<AAPL> 220.03(+6.78 +3.18%)
マイクロソフト<MSFT> 520.84(-4.10 -0.78%)
アマゾン<AMZN> 223.13(+0.82 +0.37%)
アルファベットC<GOOG> 197.28(+0.36 +0.18%)
アルファベットA<GOOGL> 196.52(+0.43 +0.22%)
テスラ<TSLA> 322.27(+2.36 +0.74%)
エヌビディア<NVDA> 180.77(+1.35 +0.75%)
メタ<META> 761.83(-10.16 -1.32%)
AMD<AMD> 172.40(+9.28 +5.69%)
イーライリリー<LLY> 640.86(-105.51 -14.14%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。