【本日の見通し】基本的には明日のパウエル講演待ち
【本日の見通し】基本的には明日のパウエル講演待ち
本日からカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催される。市場の注目は明日現地時間8時(日本時間同日23時)から行われるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による基調講演に集まっている。1日の米雇用統計の衝撃的な弱さから広がった米利下げ期待であるが、パウエル議長が常々警戒を示していた関税が物価に与える影響が先週発表の米生産者物価指数(PPI)ではっきりと出てきていたことから、どのような姿勢を示してくるのかが注目されている。
今週最も注目される材料であるジャクソンホール会議での演説を前に、今日は落ち着いた動きが見込まれる。本日午後(日本時間明日朝)からジャクソンホール会議自体はスタートするが、今日はウェルカムパーティーなどで目立った公開イベントはない。ただ、今回の会議でのスケジュールが公表される点には注意。FRB本体による告知によって基調講演のスケジュールが判明したパウエル議長と違い、各国中銀関係者は誰が参加しているのか、どのような形で公開された発言を行うのかがスケジュール発表まで未定となっている。過去には当時のECBドラギ総裁がより踏み込んだ緩和政策のスタートを示し、ユーロ相場が大きく動くなどの状況が見られている。
今日のドル円は明日のジャクソンホール会議を前に落ち着いた動きが続くとみられる。昨日はややドル売りが目立ったが、そこまでの勢いは見られなかった。パウエル議長が米生産者物価指数(PPI)を受けて利下げに慎重な姿勢を示す可能性を考慮すると、今日は逆にドル買いが優勢となる可能性もあるが、実際の講演までそれほどの勢いが出るとは考えにくい。146円台後半から147円台にかけてのレンジ取引が中心となりそう。
ユーロは本日のユーロ圏及び加盟主要国PMIに注意。関税の影響もあって、ユーロ圏及びドイツの製造業PMIはやや弱めの数字が見込まれている。予想以上の悪化を見せるようだとユーロ売りとなる可能性がある。ユーロドルは1.1620を割り込むと少し売りが出そう。ユーロ円は171円台での推移が中心も、対ドルでの売りが強まると、少し下方向にリスク。
ポンドも同様にPMI次第では売りが出る可能性。対ドルは直近1.3600前後が重くなった後、ポンド安ドル高が目立っている。1.3400を割り込むともう一段の下げがありそう。ポンド円は昨日198円を割り込む場面が見られた。200円超えでの買いが重かっただけに、少し調整が入りやすい地合いとなっており、上値の重さに注意。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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