【本日の見通し】明日の米雇用統計への警戒感が強く、ドル円は不安定な動きか
【本日の見通し】明日の米雇用統計への警戒感が強く、ドル円は不安定な動きか
昨日のドル円は注目された米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想及び前回値を大きく下回る弱さを見せた。採用側からの雇用統計とも呼べる同指標の弱さは、明日の米雇用統計への警戒に繋がり、ドル売りを誘った。また、新型コロナのパンデミック以来初めて求人件数が失業者数を上回っている。求人件数の内訳をみると、これまでの雇用統計を支えているヘルスケア部門が18.1万人の減少となっており、雇用統計への警戒につながっている。また、景気に敏感な小売業が11万人減、娯楽関連が6.2万人減となっており、景気の鈍さが意識されている。
明日の米雇用統計への警戒感がドルを抑える可能性がある。昨日はこのところやや上昇傾向となっていた米債利回りも低下して、ドル売りにつながった。もっとも米財政赤字警戒がある中で、債券利回りは底堅さ(債券価格の上値の重さ)が意識されており、今日、どこまで影響が出てくるかは微妙。
今日は明日をにらんで、米ADP雇用者数やISM非製造業景気指数といった関連指標動向に注目しながらの展開となりそう。それまではドルの重さを意識する展開と見られ、ドル円は下方向のリスクがやや高そう。
リスク警戒の流れからクロス円もやや上値が重そう。ユーロ円は先週末からの上昇が一服も、水準的にはまだ高いところ。172.30/50のサポートを割り込むと、もう一段の調整が入る可能性。
ポンド円は火曜日の200円超えがあった分、上値に余裕がある。ただ、英財政赤字警戒なども見られ、再びの200円トライは厳しそう。
ユーロドルは1.16台を中心とした推移か。上下ともにやや動きにくい印象。ポンドドルは火曜日の高値からの急落が一服も、ここからの買いには慎重
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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