円相場が上下動、日銀関連報道で ユーロ相場は底堅さ持続＝ロンドン為替概況

円相場が上下動、日銀関連報道で　ユーロ相場は底堅さ持続＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、円相場が神経質に上下動している。来週の日銀決定会合を控えて観測報道に反応した。東京午後には。日銀関係者筋情報として、「年内利上げできる環境が整う可能性がある」と通信社が伝えたことで円が買われ、ドル円は147円割れへと下落した。その後下げ一服となったあと、ロンドン序盤には「日銀、追加利上げ見送りの公算大　7月会合、物価上昇率は上方修正へ」との新聞報道を受けて、円売り反応が広がった。東京昼頃につけた高値147.49レベルを上回り、ショートカバーを誘発した面もあったようだ。ロンドン序盤には高値を147.90付近に伸ばし、その後も高止まりしている。クロス円も同様に円買いから円売りに転じている。ユーロ円は172円台半ばから173円台後半、ポンド円は198円台前半から199円台前半で推移。また、ユーロが堅調な面も指摘される。対ポンドでは連日の上昇。昨日のＥＣＢ理事会で９月利下げのヒントが得られなかったことが、８月の英中銀利下げ観測とは対照的な状況になっている。ドル相場はドル買いが優勢。このことろのドル安の流れに調整が入っている。

　ドル円は147円台後半での取引。東京市場で147円付近から147.50付近で上下動したあと、ロンドン早朝には安値を146.82近辺に広げた。日銀関係者筋情報として、「年内利上げできる環境が整う可能性がある」と通信社が伝えたことに反応。しかし、ロンドン時間に入ると買戻しが優勢になっている。東京高値を上回るとショートカバーを誘発、高値を147.90付近に伸ばした。「日銀、追加利上げ見送りの公算大　7月会合、物価上昇率は上方修正へ」との新聞報道で７月会合で追加利上げ見送りのヘッドラインに反応したもよう。足元でも高値水準を保っている。
　
　ユーロドルは1.17台前半での取引。前日終値を挟んだ揉み合いから、やや下抜けている。1.1761近辺を高値に、安値を1.1720台に広げている。ユーロ円はドル円とともに振幅。ロンドン朝方に172.48近辺まで下落したあと、上昇に転じると高値を173.61近辺まで伸ばした。対ポンドではユーロ買いが優勢。昨日のＥＣＢ理事会で９月利下げのヒントが得られなかったことがユーロ買い材料となっている。
　
　ポンドドルは1.34台後半での取引。東京朝方の1.3514近辺を高値に上値重く推移。ロンドン時間には売りが強まり、安値を1.3451近辺に広げている。ポンド円は下に往って来い。198.13から199.08のレンジで上下動し、足元では高値圏で推移している。ユーロポンドは0.8691から0.8727までのレンジでユーロ買い・ポンド売りの動き。９月利下げのヒントが得られなかったＥＣＢと、市場の８月利下げを織り込む英中銀とのスタンスの差が意識されている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明