【これからの見通し】米雇用統計後のドル売りを消化する段階、トレンド性の転換にはもう少し材料が欲しい
【これからの見通し】米雇用統計後のドル売りを消化する段階、トレンド性の転換にはもう少し材料が欲しい
今週のドル相場は、先週末の弱い米雇用統計を受けた強烈なドル売りの影響下にあるようだ。ドルの上値は重く、ドル円は売買が交錯しながら、じりじりと安値を広げる動きになっている。きょうは東京朝方に146.62レベルまで安値を広げている。
一方、ドル指数をみると、10日線が頑強なサポート水準となっている。ドルの反発力は鈍いものの、10日線を明確に下回ってこない。7月以降のドル高トレンドの形状はまだ崩れてはいない。
足元の市場のムードはドル安となっている。注目の9月米FOMCでの利下げ観測が高まっている。9月分も含めて年内にあと2回半程度の利下げが織り込まれてきている。ただ、市場の織り込み度合いは、米雇用統計反応を見ればわかる通り、各指標結果に敏感に反応するものだ。年内あと2回半の利下げ織り込みは、あくまでも現時点のものである点は留意しておきたい。
明確なドル相場の下降トレンド転換には、もう少し支援材料が欲しいところだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス鉱工業生産指数(6月)、フランス財政収支(6月)、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などの非製造業PMI確報値(7月)、ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(6月)、カナダ国際商品貿易(6月)、米貿易収支(6月)、米ISM非製造業景気指数(7月)などが予定されている。米ISM非製造業景気指数は51.5と前回の50.8から上昇する見込み。予想段階ではドル買いの材料となることが想定される。
発言イベント関連では、主要な金融当局者の講演やイベント参加などは予定されていない。インタビュー記事などがでれば、その発言内容をチェックしておきたい。米3年債入札(580億ドル)が実施される。米企業決算では、ファイザー、キャタピラー、アムジェン、AMD、スナップ、スーパーマイクロコンピューターなどが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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