ドル円、146円台に下落 日銀のニュースに円高の反応 BLSの修正に注目も=NY為替序盤
きょうの為替市場、海外時間に入って円高の動きが見られ、ドル円は一時146.30円近辺まで下落する場面が見られた。ロンドン時間に日銀関連のニュースが流れ、円高の反応が出ている。石破首相の辞任表明を受けて日本の政治情勢が流動的になる中でも、日銀は年内利上げの可能性を排除しない姿勢だと伝わった。ブルームバーグが関係者の話として伝えていた。
日銀は新政権の政策を巡る市場の動向を注視している。ただ、経済・物価情勢は7月の最新シナリオに沿った動きと判断しており、年内に環境が整う可能性も引き続き視野に入れているという。
最大のリスク要因と見られていたトランプ関税も落ち着き、不確実性が低下。米関税を踏まえた企業行動や新政権の政策などの重要な材料が今秋以降には揃ってくる可能性が大きい。利上げに向けた進展が見られ、日銀の一部には早ければ10月にも利上げが適切になるとの見方も出ていると伝えている。
一方、ドルはやや買い優勢の展開。明日10日の米生産者物価指数(PPI)、そして11日の米消費者物価指数(CPI)を待っている状況に変化はない。先週の米雇用統計が予想以上に弱い内容で、市場はFRBの利下げ期待を拡大している。ただ、今週のインフレ統計は高めの内容が出ると見込まれており、それに備えたドル買い戻しが出ているようだ。
短期金融市場では年内3回の利下げ確率を80%程度まで高めている。今月の利下げは完全に織り込まれており、焦点は0.50%ポイントの大幅利下げがの有無に移っている。ただ、現時点では大幅利下げの可能性は10%程度。
なお、本日は主要な米経済指標の発表もない中、日本時間23時に今年3月までの1年間の米雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の修正が米労働統計局(BLS)から発表される。下方修正であれば、積極利下げの根拠を補強するとの見方も出ているようだ。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は146.85円と147円に観測されている。
9日(火)
146.85(5.3億ドル)
147.00(9.3億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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