内田日銀副総裁 経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ

内田日銀副総裁　経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ

日本経済は、一部に弱めの動きも、緩やかに回復。先行きは、各国の通商政策等の影響を受けて成長ペースは鈍化と考えられるが、その後は、海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、成長率を高めていく
もっとも、各国の通商政策等の今後の展開やその内外経済・物価に及ぼす影響に関する不確実性は極めて高い状況
米国が打ち出した一連の関税政策により、内外の金融経済を取り巻く環境は大きく変化。国際機関の経済見通しは、大きく下方修正。
もっとも、今のところは、各国の経済指標の悪化は、マインド面などのソフトデータが中心で、成長率や雇用などのハードデータは、米国の関税引き上げに伴う駆け込みなどもあって、それほど悪化していない。
各国の関税交渉の帰趨はなお不確実、企業の対応はこれから。日本経済全体としても、メインシナリオとして、海外経済が減速し、わが国企業の収益なども下押しされるもとで、成長ペースはいったん鈍化する、そのうえで、不確実性は大きく、リスクはダウンサイドにある。
金融政策の先行き、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえ、経済・物価のメインシナリオが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる