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【来週の注目ポイント】米雇用統計はまずまずか

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【来週の注目ポイント】米雇用統計はまずまずか

 7月の米雇用統計が7月1日に発表されます。非農業部門雇用者数の予想は+10.1万人と6月の+14.8万人から伸びが鈍化する見込みです。失業率は4.2%と前回の4.1%から悪化見込みとなっています。

 前回は市場予想の+11.1万人を超える伸びとなりました。もっとも政府部門が+7.3万人と伸びの約半分を占めており、民間部門の雇用者数は+7.4万人と昨年10月以来の低い伸びに留まっています。政府部門の伸びは地方の教育関連の伸びがほとんどで、特殊要因によるものと見られます。トランプ大統領が人員整理を進める連邦政府部門に関しては、-0.7万人と3カ月連続での雇用減となっています。前回は失業率も予想に反して改善しました(市場予想4.3%、5月4.2%、結果4.1%)。ただ、こちらも労働参加率の低下に影響があるとみられます。雇用統計の対象となる16歳以上の人口自体は増えていますが、労働参加率の低下もあり、労働力人口の減少(6月は-13万人)が目立っています。こうした状況は雇用市場があまり活発でなく、求職意欲の低下や、早期引退、専業主婦の増加などが見られるときに起きる事象だけに、失業率自体は低下していても、あまり良い状況とは言えないところです。

 +7.4万人となった民間部門の非農業部門雇用者数の内訳を確認すると、財部門が+0.6万人。5月は-0.4万人でしたので少し回復です。もっとも製造業は-0.7万人と2カ月連続の雇用減となっています。民間サービスは+6.8万人と5月の+14.1万人から伸びが鈍化しています。これまでの伸びを支えてきた教育・ヘルスケア部門、娯楽・接客部門は+5.1万人、+2.0万人とともにしっかり伸びていますが、伸び数自体は鈍化(5月は+8.3万人、+2.9万人)しています。その他の業種も特出して弱いところはありませんが、全般に冴えない結果となりました。平均時給は前月比+0.2%、前年比+3.7%と5月の+0.4%、+3.8%から伸びが鈍化。市場予想の+0.3%、+3.9%を下回りました。平均労働時間(週当たり)も34.2時間と5月の34.3時間を下回っています。

 非農業部門雇用者数の予想を超える伸びや失業率低下と、見かけ上は強く出た前回の雇用統計ですが、しっかりと数字を追うと厳しさも見えました。
 
 今回の関連指標も確認しておきましょう。
週間ベースの新規失業保険申請件数は基準日である12日を含む週の数字が6月の24.6万件に対して、7月は22.1万件と改善しています。

 その他の関連指標は今回雇用統計が1日の発表ということもあり、まだ発表されていません。というかISMに関しては製造業が雇用統計当日の23時、サービス業が5日23時と共に雇用統計後の発表です。

 29日23時発表のコンファレンスボード消費者信頼感指数(7月)は、前回6月が93.0と5月の98.4から悪化。市場予想は5月より強い100前後となっており、予想外の悪化となりました。同指標の内訳のうち、雇用に関する部分は職が潤沢にあるとの回答が2021年3月以来の低水準となる29.2%に留まるなど、厳しさが見られました。今回は少し回復して96.0前後が見込まれています。前回特に厳しさが見られた雇用部門の数字と合わせて確認したいところです。

 同時刻の発表となる米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(6月)は、前回5月が776.9万件と、4月の739.5万件から一気に回復。市場予想は4月から小幅悪化の732万件となっており、かなりの好結果となりました。今回の市場予想は735万件と、前回から減少し、4月並みとなる見込みです。

 30日21時15分に発表されるADP雇用者数は前回-3.3万人とマイナス圏に沈みました。今回は+7.7万人とプラス圏回復が期待されています。
 
 なお、30日には21時半に米第2四半期GDP速報値、日本時間31日午前3時に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表と重要な材料が並んでいます。GDPは第1四半期が-0.5%とマイナス成長に沈みました。今回は+2.5%と一気の改善が見込まれています。FOMCについては明日まとめます。

 こうした状況を踏まえての金曜日の米雇用統計です。非農業部門雇用者数は前回から伸びが鈍化して+10.1万人見込みですが、民間雇用に関しては前回の+7.4万人から+10.0万人に改善見込みです。前回は地方政府の教育関連雇用の急増という特殊事情(季節調整の関係と見られています)で、今回は修正が入ると思われますので、それほど弱い数字とは言えないと思われます。

 GDPやFOMCなど雇用統計の前に並ぶ重要な材料によって既に動きが出ていた場合は別ですが、現水準前後であれば、予想前後の数字であれば、前回から悪化であってもドル高の流れが継続とみます。ただ、関連指標が出そろわず、予想からの乖離が起きやすくなっていますので要注意です。

MINKABUPRESS 山岡

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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