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為替相場まとめ9月1日から9月5日の週

為替 

 1日からの週は、週末の米雇用統計を控えて神経質な展開だった。週前半は米金利上昇や財政懸念を背景にドル買いが進み、ドル円は一時149円台に迫った。氷見野日銀副総裁の利上げに慎重な発言や、森山自民幹事長辞任の報道を受けて日本の政局不透明感も円売り要因となり、円は全般に軟調で推移した。ただ、植田日銀総裁の為替発言や米求人件数・ADP雇用統計の弱さが伝わると、FRBの利下げ観測が高まって、ドル円は148円割れまで急落する場面も見られた。ユーロは欧州製造業PMIや南欧諸国の指標が堅調だったことに支えられ、対ドルで1.16ドル台後半を維持するなど底堅かった。また、次回ECB理事会を前に利下げの早期実施が否定的との市場観測もユーロを下支えした。一方、ポンドは英長期債利回り急騰をきっかけに急落する場面があったが、リーブス英財務相の財政規律強調発言で売りは一服した。その後も不安定さを残した。全体としてドルは前半に強含み、後半は弱い米指標に押され売られるなど方向感に乏しい状況で米雇用統計発表を迎えた。そして、週末の米雇用統計は弱い内容となったことでドル安が強まった。ドル円も急速に売られ一時146円台まで下落。非農業部門雇用者数(NFP)が2.2万人増と予想を下回る内容となり、労働市場の冷え込みを示す内容となった。短期金融市場では今月の利下げ確率を完全に織り込んだほか、9月を含めて年内3回の利下げも確率を70%超まで引き上げている。

(1日)
 東京市場では、ドル円は午前にしっかりとした動きを見せたが、午後は上値の重さが意識された。前週末に146.80割れまで下落後、NYのドル買いが継続し147.38まで上昇。ただ金曜高値を抜けられず反落し、午後には147.00超で売りに押され146.80近辺へ下落した。週末の米雇用統計を控え、方向感は定まらず神経質な推移となっている。ユーロドルは1.1690近辺で始まり、その後ドル安基調が強まり1.1730台まで上昇。ドル主導の流れでユーロ円は一時172.28まで上げた後に下落しつつも172円前後を維持した。ポンドドルは1.3490台から1.3540台まで上伸。ただユーロポンドがユーロ高で推移し、伸びは限定的。ポンド円は199.08の高値をつけたのちドル円の下落とともに198.70近辺での推移となった。

 ロンドン市場は、ドルが軟調に推移している。特に対欧州通貨で顕著。ユーロドルは1.17台乗せ、ポンドドルは1.35台前半など底堅く推移している。ドル円は147円を挟んで売買が交錯し、方向性は希薄。クロス円は対ドルでのユーロやポンドの上昇を受けて、円安方向に動いている。欧州株や米株先物・時間外取引は小高く推移しており、リスク動向は落ち着いている。ただ、原油や金は買われており、米政治リスクや地政学リスクなどへの警戒感もあるようだ。本日は一連の英欧製造業PMIが発表されている。そのなかでスペインやイタリアの数字が好調だったことがユーロ買いを誘った面が指摘される。独仏ユーロ圏に英国は確報値で市場は反応薄だった。米連邦控訴裁判所がトランプ大統領の報復関税を違法とする判決を下したことが、ドル売りを誘っているとの見方もあるもよう。このあとのNY市場がレーバーデーのため休場となることから全般に動意薄となってきている。

 NY市場はレーバーデーのため休場。

(2日)
 東京市場では、ドル円は円売りが優勢となり、終始堅調推移。朝方147.08付近から、氷見野日銀副総裁が地方講演で慎重姿勢を示したことを受け147.70台へ上昇。その後の10年国債入札が応札倍率3.92倍と高水準を記録し、利回り低下を背景に円売りが強まると、午後には148.00台まで上伸し、8月27日以来のドル高円安圏に入った。ユーロ円も朝方172.28から70台へ上昇、円売り加速で173.20付近まで上伸。ポンド円も199.20から200.20台まで上値を伸ばした。ユーロドルは朝の1.1720近辺から一時1.1680台へ軟化したが、対円でのユーロ高が支えとなり1.1700前後まで回復。ポンドドルも1.3549から1.3520まで小幅安。全体として氷見野発言と国債入札が材料視され、主要通貨で円売り基調が鮮明となった。

 ロンドン市場は、ドル買いの動きが広がっている。ポンドドルの急落が主導権を握った。英30年債利回りが一時5.69%と1998年以来の高水準となった。市場では秋の英予算案発表を控えた英財政の継続性に対する警告と捉えている。ポンドドルは1.35台から1.33台へと急落している。仏政局不安もあってユーロドルも1.17台から1.16台へと下落。ドル円は東京市場から一段高となり、148円台乗せから148円台後半まで買われている。ただ、クロス円はロンドン朝方に高値をつけたあとは反落しており、ポンド円急落の影響が強くでている。また、森山自民幹事長が辞任を表明しており、今後の政局に不透明感が広がっている。円安と円高の両面の反応が交錯している。欧州株や米株先物・時間外取引は軟調に推移。原油や金が買われるなど不安定な相場展開になっている。

 NY市場では、ドル高が優勢。ドル円は米金利上昇を背景に一時149.00付近まで上伸。ロンドン時間に森山幹事長辞意報道が伝わると円売りが加速し、石破政権崩壊観測や積極財政派政権誕生への思惑が円安シナリオを意識させた。ただ基本構図はドル金利上昇によるドル高であり、米連邦控訴裁判所がトランプ前大統領の包括的関税の大半を違法と判断したことが財政懸念を再燃させ、米国債利回りを押し上げドルを支えた。ユーロドルは1.16ドル台前半まで下落し21日線を割り込み弱含み。もっともユーロ円はドル円高に連動し173円台を回復、レンジ上抜けを試す動きが注目される。ポンドドルは1.33台半ばまで下落し21日・100日線を同時に下抜け軟調。ポンド円も200円台回復から198円台へ反落した。英国債利回りは上昇を続け、厳しい財政環境を背景とした動きとの見方が広がっている。
 
(3日)
 東京市場で、ドル円は往って来いの展開となった。前日の米国債利回り上昇や日本の政局混乱に警戒されて148.94付近まで上昇した後、148円割れまで調整。その後148.30台で東京市場を開始。麻生元首相の総裁選前倒し要望報道が英語で広まり、円売りが強まり148.92付近まで上伸した。昼過ぎまで高値圏で推移したが、植田日銀総裁が石破首相との会談で為替に言及したと伝わり、円買いが優勢となり148.50付近まで押し戻された。クロス円も似た動きで、ユーロ円は172.70付近から173.17まで上伸後、172.70台で推移。ポンド円は200円超から198.33まで大きく下落し、午前中は198.70台から199.07まで戻すも、再度198.50を割り込み軟調。ユーロドルは1.16台前半で動意薄く、ポンドドルは1.34台前半で上値重い。

 ロンドン市場は、ポンド売りが一服している。前日と同様に英長期債利回りが上昇して始まり、ポンド売りが先行した。しかし、リーブス英財務相が秋季予算案を11月26日の公表すると発表、「我々はインフレと借入コストを引き下げる必要がある」「日常的な支出を厳しく管理し、財政ルールを徹底することでこれを実現する」と述べて市場の鎮静化を図った。これを受けて英長期債利回りが低下、ポンドも買いに転じている。ポンドドルは1.33台前半から1.34台乗せへと激しく振幅。これを受けてユーロドルも1.16台で下に往って来い。ドル円は一時149円台乗せとなったあと、148円台後半に押し戻されている。クロス円は円安推移となっている。ユーロ円は173円台乗せ、ポンド円は199円台乗せとなっている。欧州株が総じて堅調に推移したことに加えて、円相場には日本の政局不透明感が引き続き円安圧力となっているようだ。

 NY市場では米7月求人件数減少を受けたドル売りが強まった。ドル円は一時147.00付近に急落した。求人件数は718万人と前回修正の735万人から減少し、弱い指標を背景に短期金融市場では9月FOMCでの利下げ確率が95%に上昇。米国債利回りの上げ幅も縮小した。今週は米雇用統計を控え市場はFRBの金融政策動向を注視しており、本日の弱い求人件数に敏感に反応した。ユーロドルは1.16台後半まで上昇し、フランスの政治混乱にもかかわらず21日線付近で底堅さを維持。ユーロ円はドル円下落に連動し172円半ばに下落、チャートに上髭が続き慎重な見方も。ポンドドルは買い戻し優勢で1.34台半ばへ上伸。ポンド円は199円台後半から198円台に反落し、200円水準の壁は依然厚い。英中銀ベイリー総裁は利下げペースの鈍化示唆し、年内利下げ確率は五分五分となっている。

(4日)
 東京市場で、ドル円は総じて底堅さを維持した。前日の米JOLTS求人件数が弱く、一時147.80近辺まで下落したが、その後148.10付近で東京市場が始まり、小動きののち中国当局の投機規制検討報道を受け147.80水準へ下押し。ただ持ち直しも早く、午後には米雇用統計を前に調整買いが入り148.28まで上伸し、前日の下げを修正する動きが意識された。ユーロドルは1.1660近辺で始まり1.1649までやや軟化したが値幅は限定的。ユーロ円は一時172.46まで下落後に172.80付近まで反発し、下値の堅さを示した。ポンドドルは1.34台前半で戻り鈍く、ポンド円は199.00近辺で方向感に欠けた。市場全体は米雇用統計を控え様子見姿勢を強めている。

 ロンドン市場は、小動き。週前半に警戒感を高めた各国長期債利回り上昇の動きは次第に落ち着いてきている。きょうは英米長期債利回りは低下している。欧州株や米株先物・時間外取引は概ねプラス圏で落ち着いた値動き。為替市場ではややドルが買い戻されている。ドル円は148円台前半で底堅く推移。ユーロドルは1.16台後半から前半へと小安く推移。一方、ポンドドルは英長期債利回り低下とともに1.34台前半から半ばへと小高く推移している。クロス円はユーロ円が172円台後半での揉み合い、ポンド円が199円台前半から半ばで小高い動き。原油・金相場が調整売りに押されており、豪ドルなど資源国通貨はやや上値を抑えられている。このあとのADP雇用統計や新規失業保管申請件数、ISM非製造業景気指数など一連の米経済指標待ちになっている。あすに注目の米雇用統計発表を控えていることも様子見ムードを広げているようだ。

 NY市場では、ドル円が上昇。前日の米求人件数の弱さで下落していたドル円は、NY時間に入り買い戻され、一時148円台後半まで上昇した。朝発表されたADP雇用統計も弱い内容だったが、明日の米雇用統計を控えて市場の反応は限定的だった。明日の雇用統計では、非農業部門雇用者数が7.5万人増と前回同様の弱い内容が予想されており、9月の利下げがほぼ確実視されている。市場はすでに年内の利下げ回数を探る段階に入っている。ユーロドルは1.16ドル台、ポンドドルは1.34ドル台での上下動が続いた。どちらも明日の米雇用統計待ちの雰囲気が強い。一方、ユーロ円は堅調に推移し173円台、ポンド円もドル円の上昇に追随し199円台後半まで上昇した。来週のECB理事会を控え、理事の発言が少ないのが特徴だ。ユーロ圏の経済指標は堅調で、インフレも落ち着いているため、ECBの利下げは急を要さないとの見方が優勢だ。また、英企業の人員削減ペースが4年ぶりの速さで進んでいることが英中銀の調査で明らかになり、労働党政権による雇用主負担の増税が影響しているようだ。

(5日)
 東京市場では、ドル売りが優勢。前日海外市場ではドル買いの動きがみられたが、この後の米雇用統計発表を控えて、ポジション調整が入る格好となっている。ドル円は148円台半ばから148.10割れまで下押しされた。その後の戻りは限定的。ユーロドルは1.1650付近から1.1680近くへと買われて、高止まりしている。ユーロ円は売買が交錯。172.70台から173円乗せ水準で、下に往って来いとなっている。株式市場は総じて堅調で、リスク動向は安定している。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。ユーロドルは1.16台後半で高値を1.1692レベルまで伸ばす動き。ポンドドルも同様に1.34台半ばから1.3481レベルまで高値を伸ばしている。ドル円は148.30付近が重くなっており、148.10付近へと小安い。ただ、東京午前につけた148.08レベルの安値にはわずかに届かず。 クロス円は堅調に推移している。ユーロ円は172円台後半から173.20付近へと上昇。ポンド円も199.40付近から199.80近くへと買われている。欧州株や米株先物・時間外取引は模様眺めムードが広がるなかで、小高く推移している。このあと日本時間午後9時30分には8月米雇用統計が発表される。市場では非農業部門雇用者数を7.5万人増と予想しており、前回の7.3万人増から引き続き低水準になるとみている。失業率に関しては4.3%と前回の4.2%から小幅に上昇する予想となっている。総じて米労働市場が弱含んでいるとの観測になっている。

 NY市場は、この日発表の米雇用統計が弱い内容となったことでドル安が強まった。ドル円も急速に売られ146円台まで一時下落。米国債利回りも急低下している。8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が2.2万人増と予想を下回る内容となり、労働市場の冷え込みを示す内容となった。短期金融市場では今月の利下げ確率を完全に織り込んだほか、9月を含めて年内3回の利下げも確率を70%超まで引き上げている。


 

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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