【これからの見通し】基本的にドル高基調も目先やや上値が重い展開か
【これからの見通し】基本的にドル高基調も目先やや上値が重い展開か
FOMC後のドル高で149円54銭を付けたドル円は、東京市場でドル安円高が優勢と案った。午前中からアジア株の下げなどを受けた円買いが入ると、市場予想通り政策金利を据え置いた日銀会合において、2025年度の物価見通しが大幅に上方修正され、経済成長見通しも小幅に引き上げられたことで、追加利上げへの流れが強まるとの思惑から円買いが強まり、148円59銭を付けた。その後少し戻すも、149円手前が重くなっており、148円台後半推移が続いた。
米FOMC後のパウエルFRB議長の会見で利下げに慎重な姿勢が見られ、次回9月のFOMCでの見通しについて据え置き見通しが強まる形でドル高となった。中期的にはこの流れが継続すると見られる。もっとも明日の米雇用統計を前に行き過ぎた動きにも警戒感が見られる。節目となる150円手前の売りをこなすだけの勢いが出るかどうか。日銀会合後の円買いの流れもあり、海外市場でも一旦上値が重くなりそう。
ドル円は148円台半ばを割り込むともう一段のドル売り円買いが出そう。ただ、中期的なドル高基調を意識し、148円割れには慎重か。148円から149円台半ばにかけてのレンジを中心とした推移を見込んでいる。
注目は21時半の6月米PCE価格指数。前年比は+2.5%と5月から伸びが強まる見込み。15日に発表されたCPIも前年比が5月の+2.4%から+2.7%まで伸びており、PCE価格指数もそれに続きそう。コアPCEは是年比2.7%で5月と同水準が見込まれている。16日に発表されたPPIはPCE価格指数の算出に使用されるカテゴリーがまちまちとなった。航空運賃が低下、ポートフォリオ管理費用が上昇などとなっている。CPIよりも指標全体におけるウェイトが高い医療費の伸びが強かったことなどから、PCE価格指数がCPI以上に伸びを見せた場合、ドル買いとなる可能性がある。149円台をあっさり回復するようだと、上値トライの雰囲気が高まる。
ユーロドルは1.1450前後での推移と、一時の下げが一服。1.1400割れトライに慎重な姿勢が見られる。FOMC後、東京昼過ぎと二度の下値トライで大台を維持したこともあって、いったん買い戻しが入りやすい地合いか。
ユーロ円は170円台前半推移。ドル主導が目立つだけに不安定な動き。日銀会合後の円買いも落ち着いてきたこともあり、この後の動きに注目。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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