FX/為替「FRB理事が米経済の転換示唆 さらなる下押しの可能性も」 外為どっとコム トゥデイ 2025年8月7日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年8月7日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼6日(水)の為替相場
(1):日本実質賃金 6カ月連続マイナス
(2):ミネアポリス連銀総裁 金利について発言
(3):クックFRB理事 労働市場について語る
(4):日米貿易交渉 認識の違い
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:5日安値146.61円前後割れの可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
6日(水)の為替相場
期間:6日(水)午前6時10分~7日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本実質賃金 6カ月連続マイナス
日本6月毎月勤労統計で現金給与総額は前年比+2.5%と市場予想(+3.1%)を下回る伸びとなった。物価上昇を加味した実質賃金は-1.3%で6カ月連続のマイナスとなった。
(2):ミネアポリス連銀総裁 金利について発言
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、「関税の影響が明確になるまで、どれくらい待てるのか」と懸念を示し、「短期的にフェデラルファンド(FF)金利の調整を開始することが適切になる可能性がある」と語った。
(3):クックFRB理事 労働市場について語る
米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事は、米7月雇用統計で5、6月分の非農業部門雇用者数が大幅に下方修正されたことについて、「懸念すべき内容だ」として「雇用データの大幅修正は転換点によくみられる傾向だ」と述べた。
(4):日米貿易交渉 認識の違い
米ホワイトハウス関係者は7日に適用を開始する相互関税について、日本には15%の追加関税を課すと明らかにした。日本政府側の理解では既存の関税率が15%未満の品目は一律15%となり、15%以上のものについては従来の税率が維持されるとなっていた。赤沢経済再生担当相は5日の参院予算委員会で「『欧州連合(EU)と同じ扱いになるから心配するな』と確約を得ている」と述べていた。
6日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:5日安値146.61円前後割れの可能性
昨日のドル/円は約0.1%下落。複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官が米国経済が転換点に差し掛かっているとの認識を示したことで、改めてFRBによる早期利下げの可能性が意識されて、一時146.98円前後まで下落した。
1日の米7月雇用統計の結果を受けて、FRB高官の発言に注目が集まっている。本日はボスティック・アトランタ連銀総裁の講演が予定されているため、同氏の見解に注目したい。特に、年内に2回以上の利下げの可能性を示す発言があればドル売りが強まり、5日安値の146.61円前後割れを試す可能性があろう。また本日は米新規失業保険申請件数や、米4-6月期単位労働コスト・速報値が発表される。これらも米労働市場の減速を示唆する結果となるか注目したい。
注目の経済指標:BOE政策金利
注目のイベント:BOE総裁講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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